山林は是れ勝地なるも、一たび営恋せば

「山林は是れ勝地なるも、一たび営恋せば、便ち市朝となる。書画は是れ雅事なるも、一たび貪癡せば、便ち商賈となる。蓋し心に染着無ければ、欲界も是れ仙都なり。心に係恋有れば、楽境も苦海となる」(菜根譚)

人間は欲が出るとどうしても煩わしいことになる。ただよほどの超人でもない限り欲をなくすのは困難である。

となるとあまり欲が刺激されすぎないように環境を整えるのが先決かもしれない。

良いとされるものでも、それに寄りかかって依存するのはよろしくないだろう。程度問題。過ぎたるは猶及ばざるが如し。

バランスが難しいところだが、現在ではたいてい欲が過剰であるので、まずはそこから少しずつ離れた方が良い。

仙人のような境地に憧れるのは確かだが、そのために何ができるかが見えてこない。できることと言えば繰り返しこのような文に触れ、思索をめぐらすことぐらいだ。

欲や執着が問題だからといって、それを無理やり抑えるのは逆効果だ。

白熊の実験と同じように、考えないようにしようとすればするほど気になってしまうし、今までこだわっていたことを急にやめるのはストレスがかかる。新しい別のことをして相対的に量を減らすのが良いかもしれない。

ただ執着がまったく悪かと言われるとそうでもない気もする。力を入れて取り組んでいるのだから、何らかの成果が上がるような気がする。

こだわりが強く、執着するのはあまりよろしくないだろうが、そういうものを持っていると人生は楽しいのかもしれない。

もちろん身を持ち崩すのはよくないが、それはそれで何もしなくなるよりマシなのではないか。

この言葉を何もしない言い訳に使ってはならない。いろいろやっていく中で、そういう不都合な状態になっていないか振り返るのが良いと思う。

振り返るほど行動していないならこの言葉の出番はまだ先かもしれない。今まで動けないことがとても多く、失敗が怖かった。それでも歩き出さなければずっと同じ所で止まったまま。どんなに小さい一歩でも、どんなに惨めな一歩でも、一歩であることには変わりない。やらなければ零歩のままだ。

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