我を以て物を転ずる者は

「我を以て物を転ずる者は、得は固より喜ばず、失も亦憂へず、大地も尽く逍遥に属す。物を以て我を役する者は、逆は固より憎を生じ、順も亦愛を生じ、一毛も便ち纏縛を生ず」(菜根譚)

耳の痛い話である。特に後半部分。外的条件に振り回されてうまくいかない時は当然怒りや憎しみが生まれ、うまくいってもその状況がずっと続いて欲しいと、無理な願いを抱き執着する。

ちょっとのことでもその一々に惑わされ、縛られ、身動きがとれなくなる。

ただここまでの不動心となると仙人クラスなのではないか。良いことがあっても喜ばず、悪いことがあっても心が乱れないというのはあまり現実的ではないかもしれない。

自分ができそうなことといえば、どんな状況でも「これだけはやる」と決めたことを淡々とやり続ける事だろうか。

成果が出ようが出まいが、一歩一歩進んでいく。そうすれば細かいことで一喜一憂することが減るかもしれない。

やはり自分の感情をコントロールするということは我々が思っている以上に困難なことなのかもしれぬ。

喜びや悲しみを感じているにも関わらず、それを抑え込んでなかったことにしようとすれば歪みが生じてしまう。

自分の中に生じた感情を無理に変えるのではなく、具体的な行動を変えていく方が現実的であろう。

自分に確固とした軸があれば周りに振り回されないと思うのだが・・・。それも前々から考えてはいたが、それは無理に決めようとしてもうまくいかない。軸は一つでなくてもよい。確固としたものでなくてもいいからいろいろ試していこう。

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